SAXAビジネスホンが突然使えなくなった!仕組みと対処法

先日、SAXAのGT500をご利用中のお客様から「突然すべての回線に着信できなくなった」というご連絡をいただきました。 「昨日まで普通に使えていたのに」とかなり困惑されていて、状況をお聞きしたらすぐに原因の見当がつきました。 これ、今すごく多いご相談なんです。 今回は、このトラブルの原因と対処法を、工事担任者免許を保有する配線工事のプロが解説します。

GT500・UT700・HM700ってどんな機種?

GT500・UT700・HM700は、SAXAというメーカーのビジネスホンシリーズです。

機種販売時期
GT5002003年頃〜2005年頃
UT7002005年頃〜2008年頃
HM7002008年頃〜2013年頃

現在はいずれも販売終了となっており、保守パーツを新品で入手することはできません。
「まだ動いてるから」とそのまま使い続けているお客様が多いシリーズですね。

SAXA GT500・UT700・HM700

実はSAXAだけ!ボタン電池が交換できない

SAXAのビジネスホンには、他メーカーにはない大きな特徴があります。
それは、主装置の内部に入っている「データ保存用のボタン電池」を交換することができないという点です。

このデータ保存用のボタン電池とは、CR2032などに代表されるコイン型の小さな電池のことです。
電源が切れたときに設定データを守る役割を持っており、利用状況にもよりますが、約10年で寿命を迎えます。

SAXAの主装置はボタン電池が交換できない

電池が切れていても使えていた、その理由

「じゃあ10年経ったらすぐ壊れるの?」と思いますよね。
そうではないんです。

通常の使用中は、コンセントからの電力で動作し続けるため、ボタン電池が切れていても問題は表に出てきません。
問題が起きるのは「再起動のとき」だけです。

再起動の際に主装置の電源が一度完全に切れます。
この瞬間だけ、設定データの保持はデータ保存用のボタン電池のみに頼る状態になります。

そのボタン電池が切れていると、保存されていた設定データがそのまま消えてしまうんです。
「再起動さえしなければ問題が出ない」というのが、このトラブルの厄介なところです。

再起動した瞬間、データが全部消えた

設定データが消えると、次のような症状が起きることがあります。


これらの症状が突然まとめて発生した場合は、データ保存用のボタン電池切れが原因である可能性が高いです。
「昨日まで普通に使えていたのに」という声をよく聞きますが、それがこの問題の特徴でもあります。

「昨日まで使えてた」のになぜ急に?

「ずっと使えていたのに、なんで急に?」という疑問はもっともです。
答えはシンプルで、電源を切る必要がなかったからというのが主な理由です。

ビジネスホンは基本的に電源につなぎっぱなしで使うものです。
そのため、停電やビルの計画停電、引越しなどで「やむなく再起動」するまで、問題が発覚しないことが多いんです。

現場では「引越しのあとから急に動かなくなった」という声をよく聞きます。
電源を切っている時間が長いほどデータ保存用のボタン電池の消耗が激しく、温度が高い環境でも寿命が縮まる可能性があります。


対処法①|プロにデータを再設定してもらう

一つ目の対処法は、今の主装置のまま設定データを入れ直すという方法です。
ビジネスホン専門の工事業者による設定作業が必要になります。

通電中であればデータを入力できるため、以前と同じように使えるようになります。
ただし、データ保存用のボタン電池が切れたままの状態は変わりません。

そのため、何らかの理由で電源が切れると、入力したデータは再び消えてしまいます。
目安の費用は、30,000〜50,000円程度です。
対処法①  プロにデータを再設定してもらう

対処法②|GT500中古主装置への交換は要注意

二つ目は、GT500・UT700・HM700の電話機をそのまま使いたい場合に取られる方法です。
主装置だけを中古品に交換するやり方で、現在も中古市場で入手は可能です。

ただし、注意が必要です。
今流通しているGT500・UT700の中古主装置は、最低でも15年以上経過したものばかりです。

データ保存用のボタン電池がすでに切れている可能性が非常に高く、交換後いつ問題が起きるかわかりません。
費用対効果を考えると、対処法①(データ再設定のみ)と大きな差がないケースも多いです。

対処法②  中古主装置への交換

【一番オススメ】対処法③|主装置ごと新しく交換する

最もオススメなのは、主装置ごと新しいものに交換するという方法です。
主装置を替えると電話機も合わせて変わりますが、これが最も根本的な解決策になります。

費用はある程度かかりますが、「また同じ問題が起きるかもしれない」という不安から解放されます。
以下で、具体的な選択肢をご紹介します。
対処法③ 電話機ごと交換する

引き続きSAXAを選ぶのはアリ?

一つ目の選択肢は、引き続きSAXAを選ぶ方法です。
SAXA中古は価格が安く、デザインが洗練されているためおすすめです。

SAXA新品ももちろん選択肢としてあります。
データ保存用のボタン電池が交換できないという点さえ把握しておけば、使い勝手が良く価格もリーズナブルなメーカーです。

ボタン電池が交換できないという特徴を知ったうえで選ぶ分には、SAXAは非常にバランスの良いメーカーです。
SAXAを使い続けるという選択をされる方も実際に多いです。

NTT・NEC・日立の違いをざっくり解説

もう一つの選択肢は、他のメーカーに切り替えることです。
国内の主なビジネスホンメーカーを簡単にご紹介します。

メーカー特徴データ保存用のボタン電池
NTT最も一般的。工事できる業者が多く価格も比較的安い交換できる
NEC販売台数はNTTの次。高機能だが費用はやや高め交換できる
日立・ナカヨ業務提携で完全な互換性。中古は黄ばみが出やすい交換できる
SAXA価格が安くデザインが洗練されている交換できない

国内の主なビジネスホンメーカー
各メーカーの費用を比較したい場合、配線プロッタでは主要4メーカーの新品・中古を取り扱っています。
比較見積もりもしやすいので、まず見積もり依頼だけでも試してみてください。

まとめ

GT500・UT700・HM700で起きるトラブルと、その原因・対処法について解説してみました。
「データ保存用のボタン電池が交換できない」という、このシリーズ特有の課題が背景にあります。

少し専門的な内容でしたが、「再起動のタイミングで問題が出る」という仕組みさえ知っておくと、いざというときの判断がずいぶん楽になります。
電話は企業の顔ですから、ぜひ早めに対処の方向性を決めておきましょう。