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残置された電気ケーブルを使ってオフィスの電気工事コストを削減する方法とは?

はじめに

新たにオフィスを賃貸する場合、ハーネスOAタップの設置工事をする必要があります。

電気工事は、最も費用がかかる配線工事の1つですが、ある条件が整えば、工事費用を削減することができます。

以下の2つの場合です。

  1. 前の入居者が電気配線を残している
  2. ビル側設備として、電気配線を準備している

この残しているという配線は、一部でも構いません。利用できる状態で残っていれば活用可能です。

今回は、残置された電気ケーブルを使ってオフィスの電気工事コストを削減する方法について、電気工事士の資格を持つ筆者が解説します。

この記事を読むと、残置された電気配線があるという幸運な状況を活かして、どのように電気工事をすべきか、また、費用はどのようになるのかについて、学ぶことができます。

なお、記事の前半は、ハーネスOAタップとは何か?について解説している内容となっています。ご不要な方は、「オフィスの新規入居時の電気工事費を削減できる場合」まで、お進みください。

新オフィスの電気配線は不足している

オフィスでは、多くの電子機器を使用するため、十分なコンセントが必要です。

しかし、オフィスは、住宅よりも壁の少ない構造であるため、初期段階では必要なコンセントが不足しています。

そのため、入居者は、各自の責任において、電気工事を行い、必要なコンセントを設置しなくてはなりません。

オフィスの電気配線を増やすには

オフィスの電気配線を増やすためには、一般的に「ハーネスOAタップ」を設置する電気工事が必要です。

ハーネスOAタップは、オフィスなどのフロアコンセント用のOAタップで、柔軟な電源設置が可能です。

ハーネスOAタップとは、以下のような形状をしたOAタップです。

ハーネスOAタップ

OAタップの端は、プラスチックの四角箱に3本の金属コネクタがある形状をしており、一般的なコンセント用プラグとは似ていますが、違うものです。

オフィスで電気配線を増やす際には、このハーネスOAタップ等を利用する方法が一般的です。(ハーネスOAタップとはなにか?についてはこちらの記事を参照してください)

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ハーネスOAタップを設置するためには

オフィスの必要な場所に、自由に電源を設置できるハーネスOAタップですが、利用するためには電気工事が必要となります。

ハーネスOAタップを設置するための電気工事の流れ

  1. 分電盤にブレーカーを設置
  2. VFFケーブルを利用し、ハーネスOAタップを設置したい場所まで、配線する
  3. VFFケーブルの先端にジョイントボックスを設置する
  4. ジョイントボックスとハーネスOAタップを接続する

上記を行うことで、ハーネスOAタップを利用できるようになります。

オフィス入居時の電気工事費を削減できる場合

ここから、本題に入ります。

本来は、ハーネスOAタップを利用するためには、上記の4段階をすべて電気工事する必要があります。ただし、以下の場合は、電気工事に必要な工事工程を省略することができます。

  1. 前の入居者が電気配線を残している
  2. ビル側設備として、電気配線をある程度配線してくれている

床を開けた時にこのようになっている場合は、残置された電気配線があるということです

上記の場合は、以下の4段階の内、1~3を省略することができます。

  1. 分電盤にブレーカーを設置
  2. VFFケーブルを利用し、ハーネスOAタップを設置したい場所まで、配線する
  3. VFFケーブルの先端にジョイントボックスを設置する
  4. ジョイントボックスとハーネスOAタップを接続する

これにより、電気工事の総費用を大幅に減らすことが可能です。

既設のジョイントボックスの移動・延長が必要な場合

既に電気配線がある場合でも、ジョイントボックスの位置が必要な場所にない可能性があります。この場合、ジョイントボックスを移動または延長する必要があります。

以下のイラストのように、OAタップを設置したい場所に、ジョイントボックスがない場合です。

デスク4つを設置し、中央にジョイントボックスを設置し、4本のハーネスOAタップを設置しようとしたが、残置されている電源ケーブルとジョイントボックスから離れている状態

その場合は、自社の必要とする場所まで、予め設置している配線を「移動」もしくは「延長」する必要があります。

残置されているジョイントボックスが移動できる長さがあれば移動するが、長さが不足していたり、移動できない状況の場合は延長する

もちろん、あらかじめ用意されている配線箇所が、自社の必要とする場所とぴったり合う場合は、移動や延長は必要ありません。

ジョイントボックスの移動・延長が必要かどうかはどうすればわかる?

現場において、以下の2つを行う必要があります。

  1. 目視で電気配線の状況を確認
  2. 検電器等でその配線がどのブレーカーにつながっているかの確認
  3. 電気計画を立て、現状利用・移動・延長の判断をする

それぞれについて、以下の通り説明をします。

1 目視で電気配線の状況を確認

目視で電気配線の状況を確認する場合は、底上げ床(フリーアクセス・OAフロア)であれば、床パネルを開けて、実際の配線状況を調べます。

電気配線に関する図面があったとしても、必ず目視で確認したほうが良いでしょう。以前の入居者が、電気配線を移動させてしまっている場合があります。

デスク搬入後は、確認作業が難しくなりますので、内装工事の早い段階で、ケーブル確認作業を行いましょう。

2 検電器等でどのブレーカーにつながっているかの確認

ブレーカー1つの電気容量は、原則、2000Wです。そのため、1つのブレーカーにつながる電気配線あたり2000W以内となるように電気計画をする必要があります。

ただ、目視で配線済みの電気配線を見ても、この配線がどのブレーカーにつながっているかは確認できず、検電器等を利用した確認をする必要があります。

具体的には、以下の流れで確認作業を行います。

  1. ジョイントボックスを探す
  2. すべてのブレーカーを落とす
  3. ジョイントボックスに検電器を差し込む
  4. 1つずつブレーカーを上げる
  5. 検電器が反応→ブレーカーが特定できる

この作業をすべてのジョイントボックスで行い、現状の電気配線図を作成します。

そうすることで、現状を把握することができ、電気計画を立てる準備が整います。

3 電気計画を立て、現状利用・移動・延長の判断をする

現状の電気配線図が作成できれば、次は、どの場所でどの電子機器を利用するかを確認します。

ブレーカー1つあたり、2000W以内に収まるように、計算しつつ、不足があれば、他の個所からジョイントボックスを移動したり、延長をして必要な場所にジョイントボックスを設置します。

状況によっては、ブレーカーを増設して、新たな電気配線を行う場合もあります。

これらの計画と判断は、信頼できる電気工事士と相談しながら、確実に行いましょう。

ずさんな電気計画を行った場合、ブレーカーが遮断されることが頻発し、通常業務の大きな妨げとなります。

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まとめ:敷設済み電気配線をうまく活用しよう!

電気工事はえてして費用が高くなりがちですが、重大な事故につながる可能性がある分野ですので、コストを削減するだけではなく安全性も特に重視されています。

敷設済みの電気配線は、コストを削減できる便利な状況ですが、信頼できる電気工事業者さんにサポートしてもらいながら、安心・安全に利用してゆきたいですね。

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