オフィスや事務所を新設・移転する場合、最も重要な配線工事は以下の4つです。
- 電気工事
- LAN工事
- 電話工事
- スピーカー工事
その中でも、「通信」と「電気」は、最も重要なインフラ(基礎的設備)であり、欠かすことはできません。
このブログでは、新たに通信や電気の環境を整える上で、必ず検討しておきたい4つの配線工事を、通信と電気の資格保有者である「配線プロ」がわかりやすくご紹介します。
会社ご担当者様が確認すべき重要ポイントに絞って解説していますので、最後までよろしくお願いします。
※本ブログにおいては、一般的なオフィスを想定して解説をしています。
オフィスにおける最重要インフラ4つ
オフィスにおいて、最も重要なインフラには以下の4つがあります。
- 電気:さまざまな機器の電源として必要です
- LAN:社内の有線LAN・無線LAN(Wi-Fi)に必要です
- 電話:電話の受発信及び内線通話に必要です
- スピーカー:工場では社員呼出用、オフィス・店舗ではBGMに必要です
これらが欠けている場合は、会社の業務形態によっては、通常業務に重大な支障を及ぼします。逆に言えば、全てあれば、何とか仕事を始めることができます。
そのため、オフィス移転・新設担当者は、まずはこの4つをしっかりと整えることを目標にしましょう。
電気・LAN・電話・スピーカーには配線工事が必要
電気・LAN・電話・スピーカーの4つを整えるためにには、有線での配線工事を必要とするケースがほとんどです。それぞれの配線工事の内容を見てゆきましょう。
利用器具 | 利用ケーブル | 分野 | 免許 | |
---|---|---|---|---|
電気工事 | フロアコンセント | VVFケーブル | 強電 | 電気工事士 |
LAN工事 | LAN・ルーター・HUB | LANケーブル | 弱電 | なし |
電話工事 | ビジネスホン | ボタン電話ケーブル | 弱電 | 工事担任者 |
スピーカー工事 | アンプ・スピーカー | スピーカーケーブル | 弱電 | なし |
電気工事
電気工事の分野は多岐にわたりますが、一般的な賃貸オフィスにおいては、フロアコンセントの設置が主な内容になります。下記のような器具を利用し、フロアコンセントを増設します。
利用するケーブルは「VVFケーブル」といい、VVFケーブルの加工には「電気工事士」の資格が必要となります。
LAN工事
現代では、インターネットや社内ネットワークであるLANを中心に業務を行う会社がほとんどです。
最近では、無線LANの活用も進んでいますが、無線LANを利用するためのアクセスポイントは、多くの場合、有線LANで必要です。
下記のような器具を利用し、ネットワーク環境を構築します。
利用するケーブルは「LANケーブル」といい、現在では1Gbpsに対応した「Cat6」の規格が主流となっています。LANケーブルの加工や配線に資格は必須ではありません。
電話工事
昔に比べると電話の重要性は減少したとはいえ、現在でも重要なインフラの1つです。オフィスにおいては、広く一般的にビジネスホンが利用されています。
利用するケーブルは「ボタン電話ケーブル」といい、ボタン電話ケーブルの取り扱いには「工事担任者」の資格が必要となります。
スピーカー工事
店舗においては、顧客向けのBGMや放送のため、スピーカーが設置されているケースがあります。
また、工場では、大きな機械操作音下でも、作業員を呼び出せるように、スピーカーが設置されています。
さらに、オフィスにおいても、顧客向けおよび社員の働きやすさ向上のために、スピーカーが設置されるようになってきています。
下記のような器具を利用し音響放送を実現しています。
スピーカー用のケーブルには「スピーカーケーブル」「EAケーブル」などがあります。
目的とする音質レベルにより、用いるケーブルは変わりますが、オフィスにおいてはBGM利用がメインとなるため、ある程度安価なケーブルでも対応が可能です。
スピーカーケーブルの加工や配線には、特に資格は必要ありません。
配線工事は「強電工事」と「弱電工事」に分かれる
これまで4つの最重要インフラをご紹介しましたが、配線工事の分野は大きく2つに分かれます。
強電分野:電気工事
弱電分野:電話・LAN・スピーカー
この分野が分かれているのには理由があります。
強電分野において取り扱う「VVFケーブル」には電気が流れています。その電圧は100Vで、非常に強く危険であり、重大な感電事故につながる恐れがあります
弱電分野において取り扱う「ボタン電話ケーブル・LANケーブル・スピーカーケーブル」にも電気は流れています。ただし、その電圧は低く、安全というわけではありませんが、感電事故が起きたとしても、重大な事故にはなりにくくなっています。
そのため、一般的には、電気工事は独立した分野であり、電気工事の職人は電気工事しかしないケースが一般的です。
逆に、弱電分野は、電話工事・LAN工事・スピーカー工事など、複数の配線工事を1人の職人で行うことが可能です。ただ、電気もできる、という方はほとんどいません。
オフィス移転・新設に必要な4つの配線分野をまとめて依頼したくとも「まとめては受けられない」と断られ、バラバラの業者に発注せざるを得ないケースが多いのはこのためです。
【広告】電気・LAN・電話・スピーカーをまとめて依頼できる配線プロッタ
オフィス新設・移転で4つの配線工事を行いたいというときに、できれば同じ工事会社で行った方が、説明の手間も減り料金も安くなります。
配線プロッタでは、電気・LAN・電話・スピーカーの4つをまとめて依頼することが可能です。
これを、配線工事業界で行っている会社は少なく、とても珍しいといえます。
ご相談は無料。お気軽にお問い合わせください。
電気・LAN・電話・スピーカーの4つが工事できる https://haisen.protta.jp/
電気・LAN・電話・スピーカーの導入に役立つ記事をご紹介
それでは「プロってる!オフィスの配線工事屋さんお役立ちブログ」の過去記事の中で、電気・ネットワーク・電話・スピーカーの導入に役立つ記事をご紹介します。
電気工事
オフィスでは、一般的にコンセントの数は少ない状態となっています。
これは、レイアウトの都合上、柱や壁を少なくしている設計が多いためです。柱や壁に作ることが多いコンセントは、数が少なくなることになります。
そのため、一般的には、オフィスの新規入居者が追加で電気のコンセントを設置する必要があります。
このコンセントのことをフロアコンセントまたはハーネスOAタップといいます。
電気工事を行うことで、柱や壁に近い場所でなくてもコンセントを配置することができます。
オフィスにおいて、ハーネスOAタップを増設してフロアコンセントを増やしたい場合は、こちらの記事が参考になります。
オフィス移転やオフィス新設後、入居していざ仕事を始めようとした時に「あれ、コンセントの数が少ない?」と感じることがあります。 これは、オフィスならではの問題で、一般家庭と比較して、以下のような理由があるためです。 一般家庭で[…]
電話工事
最近では、会社においても、社用携帯や社用スマホを、社員に支給することが多くなってきました。
その結果、固定電話の必要性は減少しつつありますが、「まだ、固定電話を全廃するのは難しい」というのが実情のようです。
そして、会社の固定電話を便利に使うための電話設備として、ビジネスホンを設置する方法が一般的です。
ビジネスホンは設置することで、下記のようなメリットがあります。
- 内線が使える
- 外部からの電話着信を取り次ぎしやすい
- 来客用の受付電話を受けられる
- 通話録音や留守番電話などの機能が使える
ビジネスホンは、高価な設備ですが、最近では、性能が良く、綺麗な中古美品のビジネスホン市場が形成されているため、新品にこだわらなければ、以前よりも、コストを下げてビジネスホンを利用することができるようになりました。
電話工事の場合は、ケーブルの配線だけではなく、ビジネスホン機器も併せて検討する必要があります。
ビジネスホンの増設工事に関して注意点と費用を削減するのに参考となる記事はこちらです。
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LAN工事
インターネット利用及び社内ネットワークにおいて、社内LANの構築はとても重要です。
現在では、会社において、有線LANと無線LANを併用して導入するケースが一般的です。
実際の工事では、以下の3つにつき、有線LAN配線を行うこととなります。
- 各デスクトップPC
- プリンター
- 無線LAN用のアクセスポイント
LAN工事に関して注意点と費用を削減するのに参考となる記事はこちらです。
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スピーカー工事
スピーカー工事は、主に以下の用途で用いられます。
- BGMなど快適空間の演出
- アナウンスなど注意喚起や呼出
BGMのためのスピーカー工事は、主にカフェ・病院・飲食店などの店舗で導入されています。最近では、オフィスで、顧客・社員への快適さを演出するためにスピーカー工事を行うケースが増えています。
アナウンスのためのスピーカー工事は、工場や大型店舗において導入されています。作業者の呼び出しや、作業中の作業音でも電話の呼出に気付けるようにするためです。
電話設備であるビジネスホンと連動させることで利便性が向上することが多いため、放送設備専門の工事業者だけではなく、ビジネスホンの工事業者でも扱えることが多いです。
4つの配線工事分野をうまく活用して業務効率アップさせよう!
これまであげた、電気工事・電話工事・ LAN工事・スピーカー工事は、オフィス店舗、工場、いずれにおいても基本的なインフラです。
これらのインフラは、時代の進歩とともにより便利になっています。
オフィス移転・新設を機に、新たなシステム・設備を導入することで業務効率をアップさせる取り組みもよいかもしれません。