オフィス移転やオフィス新設後、入居していざ仕事を始めようとした時に「あれ、コンセントの数が少ない?」と感じることがあります。
これは、オフィスならではの問題で、一般家庭と比較して、以下のような理由があるためです。
- 一般家庭では、部屋を仕切る壁が多い。そのため、壁コンセントも多い
- オフィスでは、部屋を仕切るための壁が少ない。そのため、壁コンセントも少ない
オフィスでは、一般的に、それぞれの会社業務に合わせて部屋をカスタマイズすることが多く、自由度を高めるために、オフィスの壁は最小限に抑えられています。
それでは、少ないコンセントで業務を行わなければならないのでしょうか?
そうではありません。
実は、オフィスのコンセントは「配線工事を依頼して<作る>もの」なのです。
今回は、電気工事士の資格を持つ配線プロが、オフィスでコンセントを増設できる「ハーネスOAタップ」を中心に、電気工事・配線工事を行う方法を解説してまいります。
オフィスのコンセントは壁だけではなく床からも出せる
一般家庭でもオフィスでも、コンセントの差込口は壁にあります。下記のようなものです。
ただし、オフィスの場合は、さらに、床から出すこともできます。
この床から出てくるコンセントは一般的に「ハーネスOAタップ」と呼ばれます。「フロアコンセント」ともいいます。
壁のコンセントも床のコンセントも、実際には、両方とも同じ「分電盤」へ接続し、電源を供給しています。
それぞれの電気用のケーブルは、以下のルートにて配線される違いがあります。
- 壁コンセント 分電盤から壁の中を通って配線される
- 床コンセント 分電盤から床下を通って配線される
ハーネスOAタップの違いは、以下の記事でも解説しております。さらに詳しく知りたい方は、ご覧ください。
ハーネスOAタップとは、オフィスで使うタイプのOAタップ ハーネスOAタップは見た目は通常のOAタップです。一般的なコンセントを差し込んで給電することができます。ただ、コンセントを差し込む部分とは反対側がコンセントタイプではありませ[…]
ハーネスOAタップの特長・メリット
ハーネスOAタップの最も大きな特長は「コンセントが必要な場所に、必要な数だけ配線をすることができる」という「フレキシブル性」にあります。
オフィスにおける部屋の用途別に、必要なコンセントの内容を見てみましょう。
- サーバールーム : 多くのハーネスOAタップを集中的に配線
- 事務スペース : 1つの机に、1つのハーネスOAタップを配線
- 倉庫スペース : ハーネスOAタップは不要。壁コンセントのみで対応
オフィスは広いため、すべての場所にコンセントを設置すると、多額のコストがかかります。
必要な場所に、必要な数だけ、フレキシブルに配線できるハーネスOAタップは、とても使い勝手が良いコンセント設置方式なのです。
ハーネスOAタップを増やすための手順と手続き
具体的には下記の流れで、手続きを進めるとよいでしょう。
- 電気を必要とする機器の設置場所を決める
- 各場所に必要な電気量を計算し、ハーネスOAタップの本数と口数を決める
- レイアウトにハーネスOAタップの必要数をマークする
- 分電盤の最大電気量を確認する
- 分電盤のブレーカー空き数を確認する
- 分電盤からハーネスOAタップまでの配線ルートを確認する
- 必要な部材の調達を行う
- 電気工事士の資格を持った配線プロを手配する
- 【工事日当日】全体ブレーカーを落とし、ハーネスOAタップ増設の電気工事を始める
上記すべてを自社で行うのは困難です。
できる限り、計画段階から、信頼できる電気工事業者のサポートを受けるようにしましょう。自分たちだけで行うよりも費用はかかりますが、事故のない電気工事を行うことができます。
なお、電気工事は、電気工事の資格を持つプロに依頼する必要があります。
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※この段落は広告となりますので、不要な方は読み飛ばしてください
オフィス移転やオフィス新設、レイアウト変更により、今のコンセントでは不足を感じる場合は、コンセントの増設工事を検討してみましょう。
OAフロアやフリーアクセスなどの底上げ床であれば、自分たちの好きな場所にコンセントを作ることができます。
配線プロッタには以下のようなお悩みをお問い合わせいただくことがあります。
- オフィスのフロアコンセント増設を依頼したが、ビル指定業者だと非常に高額だった
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配線プロッタは、WEB専業・全国対応の配線工事専門店です。電気工事の資格を持つ見積専門の担当者がしっかりサポート。必要な仕様が決まっていれば、お見積書を当日もしくは翌日ご提示します。
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ハーネスOAタップを利用したフロアコンセント増設工事に必要な機器と部材
ハーネスOAタップを利用したフロアコンセント増設工事には以下の機器及び部材が必要となります。
実際の電気工事では、上記の機器・部材を接続して使用します。ハーネスOAタップとハーネスジョイントボックスとVVFケーブルを接続すると以下のようになります。
コンセント増設工事の工程
電気工事には費用がかかります。その費用を計算する上で重要な考え方が「工事工程」です。ハーネスOAタップを利用したフロアコンセント増設工事に必要な工程工程には、以下のようなものがあります。
- ブレーカー設置 : 分電盤に安全ブレーカーを取り付ける
- ケーブル配線 : VVFケーブルを配線する
- ハーネスジョイントボックス接続 : VVFケーブルとハーネスジョイントボックスを接続しする
- ハーネスOAタップ設置 : ハーネスOAタップとハーネスジョイントボックスを接続・設置する
上記は最低限の工事工程のため、その他の工事工程を必要とする場合があります。
ハーネスOAタップを利用したフロアコンセント増設工事の費用相場
これまで説明してきた部材や工程の費用相場は、以下のような金額となります。
部材・工程 | 費用相場・目安金額 |
部材:ハーネスOAタップ | 3,500円~6,000円 |
部材:ハーネスジョイントボックス | 2,000円~4,000円 |
部材:電気用ケーブル(VVFケーブル) | 80円~130円/1m |
部材:安全ブレーカー | 1,000円~2,000円 |
工程:ブレーカー設置作業(配電盤工事含む) | 20,000円~30,000円 |
工程:ケーブル配線作業 | 9,000円~20,000円 |
工程:ハーネスジョイントボックス設置作業 | 3,000円~6,000円 |
工程:ハーネスOAタップ設置作業 | 3,000円~6,000円 |
上記はあくまで目安となります。
例えば、部材であるハーネスOAタップは、ケーブルの長さ・口数・抜け止めの有無・ランプの有無・カラー・特殊用途の有無などにより、費用が大きく変わります。
自社に必要な機能や仕様にあわせた見積もりを依頼しましょう。
まとめ
会社・オフィスでハーネスOAタップのフロアコンセント増設をする場合のポイントにつき、解説しました。
電気工事は、コンセントや電気容量に不足を感じていてもなかなか対策をしづらい分野です。
ただ、実際には、ある程度の条件さえ整えば、意外にスムーズにコンセントの増設をすることはできます。日々の電気に関するお悩みは、我慢しなくても解決することができるのです。
それでは、ハーネスOAタップの増設で快適なオフィス電気ライフを過ごしましょう!