NTTのαA1は、NTTが販売している「次世代ビジネスホン」です。電話回線の光ファイバー化に対応し、IP電話機へスムーズに対応できるよう設計された機能は、NTTのチャレンジ精神を感じさせるものです。
今回は、NTTのαA1を使う中で、稀にですが、必ず行う場面がある「電源のシャットダウン方法」に着目した記事となります。正しい電源の切り方を学び、αA1を上手に使えるようになりましょう。
NTTのαA1とは?
過去、さまざまなビジネスホンが販売されてきましたが、NTTのαA1は以下の2つの機能を「標準装備」した初めてのビジネスホンとなります。
- ひかり電話の直収
- IP電話機の接続
過去、IP電話機の接続機能を標準装備した機種はありましたが、ひかり電話の直収もできるのはこのNTTのαA1が初めてです。今後、光ファイバーとIP電話機という2つの大きな流れを見据え、業界をリードしてゆこうという気概が感じられる、先進的な機種といえます。
また、工事方法も新しく、電話機からの設定はできず、PCを接続してのWEB設定のみとなりました。
NTTαA1主装置は、なぜ電源を正しく切らないといけないの?
それらの点からも、ビジネスホンのメイン装置である主装置は、「ほぼPC」といえる状態となりました。主装置は、デスクトップPC本体、電話機は、ディスプレイ、というような関係といえます。
その結果、主装置の電源を切るためには「シャットダウン操作」が必要となります。
PCは、なぜ電源を正しく切らないといけないの?
一般的に、PCを終了させる場合は、Windowsの場合、スタートボタンからシャットダウンを選択し実行します。この操作をすることで、安全にPCを終了させることができますが、この操作を行わないことで以下のリスクがあります。
- 使用中のアプリやソフトウェアを接続したまま終了することで、次回起動時に不具合が生じる
- ハードディスク等の機器が物理的・データ的に作動中の状態で停止することで、想定外の不具合が生じる
必ず不具合が生じるわけではありませんが、実際に不具合が生じているという報告もあるため、PCの電源を切る場合は、正しく電源を切ることができる「シャットダウン操作」を行うべきとされています。
NTTαA1主装置の正しくない電源を切り方とはどういうもの?
NTTαA1主装置は、ほぼPCといえる状態になっているため、PCと同様のシャットダウン操作が必要であることを説明してきました。
では、正しくない電源の切り方はどういうものでしょう。以下に例示します。なお、いずれも、Powerランプが緑点灯している状態からの動作とします。
- 電源ケーブルをコンセント差込口から引き抜いた
- 本体背面の電源スイッチをOFFにした
- 停電が起こった
電力の供給が停止した後、NTTαA1主装置は、Powerランプが数十秒赤く点滅し、Powerランプは消灯します。
NTTαA1主装置の電源を正しく切らないとどうなるの?
理由は様々ありつつも、NTTαA1主装置の電源が正しく切ることができなかった場合はどうなるのでしょうか?以下の2つの場合に分かれます。
- 不具合は起きず、次回起動時に正常に起動する
- 次回起動時に、正常に動作しない
まったく起動すらしない、Powerランプが無反応、というケースはほとんどなく、報告を受けたことはありません。
また、正常に動作しない場合は、どのような状態になるのでしょうか?
- 設定データが初期値になってしまい、工事入力したデータが消去されている
当店で報告を受けたケースは、ほぼ上記のみとなります。
設定データが初期値となってしまった場合は、配線プロが訪問しデータを再投入する必要があります。訪問工事には費用もかかりますし、再訪問までの時間もかかるため業務に大きな支障が生じます。できる限り、上記のような状態にならないようにしたいものですね。
NTTαA1主装置の正しい電源の切り方は?
それでは、正しいNTTαA1主装置の電源の切り方とは何でしょうか?以下の手順となります。
- 電源ボタンの位置を確認する
- 電源ボタンを5秒以上長押しする
- Powerランプが赤点灯するまで3~6分程度待つ
- 本体背面の電源スイッチをOFFにする(「〇」マークです)
PCの場合は、イレギュラーな場合に「強制シャットダウン」を行う方法として、電源ボタンを長押しするということがありますが、PCのシャットダウン操作方法としては良くない方法とされています。
NTTαA1の場合は、上記操作方法が正しい電源の切り方といえます。PCのシャットダウン操作方法になれている方は多少戸惑いがあるかもしれませんが、この方法がメーカー推奨の方法です。しっかりと手順に沿って実行してゆきましょう。
NTTαA1主装置の正しい電源の入れ方は?
電源が正しく切れた後は、電源を正しく入れることが必要です。以下の手順となります。
- 電源ケーブルをコンセント差込口に差し込む
- 本体背面の電源スイッチをONにする(「━」マークです)
- 本体前面の電源ボタンを1度押す
- Powerランプが緑点灯するまで3~6分程度待つ
電源が正しく入れば、電話機も正常に使えるようになります。
UPS(無停電電源装置)も活用しよう!
UPSとは、無停電電源装置といい、付加機能の付いたバッテリーです。
NTTαA1主装置にUPSを接続することで、正しくない電源の切り方をした時にも、正しい電源を切る時間の猶予ができます。例えば、突然の停電を例にとりますと以下のようになります。
- 突然の停電が発生→NTTαA1主装置に電源供給がなされなくなった
- UPSが動作し、NTTαA1主装置に電源が供給された
- 手動で、正しい電源の切り方を実行
- NTTαA1主装置が正常にシャットダウンされた
UPSは、停電時でも機器を使用するという意味で導入する場合もありますが、NTTαA1のようにシャットダウン操作に一定の手順が必要な場合、シャットダウンを行う時間的猶予を確保するために導入する場合もあります。
自社の環境にて停電がよく起こる場合は、UPSの導入も検討してみましょう。
まとめ:正しい電源の切り方を知れば大丈夫
一般的なビジネスホンの場合は、電源の切り方は特に注意することはないため、新たに、NTTαA1を利用する方は、初めは戸惑うことがあるかもしれません。
ただ、正しい手順で電源を切る、可能であれば、突然の電源断絶の対策を講じることができれば、なにも問題ありません。NTTのαA1は優秀な機種なので、活用してゆきましょう!