ひかり電話はNTT東日本・西日本が提供するサービスですが、サービス名称が分かりづらいといわれています。特にわかりづらいのが「ひかり電話オフィス」という法人向けのひかり電話です。
ひかり電話オフィスは末尾が「タイプ」と「エース」に分かれます。
- ひかり電話オフィスタイプ
- ひかり電話オフィスエース
また、内容も違いが分かりづらいといわれています。本記事では、2つのひかり電話オフィスについて、それぞれのプランの違いを中心にわかりやすく説明をしています。
ひかり電話には3種類ある
NTT東日本・NTT西日本の提供している電話サービス「ひかり電話」には、次の3つがあります。
- ひかり電話
- ひかり電話オフィスタイプ
- ひかり電話オフィスA(エース)
この中でも、特にオフィスで利用されることが多いのは、ひかり電話オフィスタイプとひかり電話オフィスエースですが、名前も似ているこの2つについて「違いがわからない」と感じる方も多いようです。
この記事では、 ひかり電話オフィスタイプとひかり電話オフィスエースの料金や機能の違いを中心に解説し、さらに、導入時の注意点やどちらを選ぶべきかのアドバイスもご紹介いたします。
※なお、ひかり電話オフィスAは、ひかり電話オフィスAが正式名称で、通称として、ひかり電話オフィスエースを用いるようです。本記事では、ひかり電話オフィスエースという表記で記載をいたします。
※ひかり電話オフィスエースタイプやひかり電話オフィスタイプエースという名称は存在しません。
ひかり電話オフィスタイプとひかり電話オフィスエース、機能面の違い
「タイプ」と「エース」両者の機能面の違いを、以下の表にまとめてみました
※チャネル = 同時に通話できる数のことです。3チャネルとは、発信・着信が同時に3通話まで可能です
※なし = なし と記載の場合は、標準装備ではありませんが、オプション料金による対応が可能でです
※金額は月額で、税込みです
◆機能 | ひかり電話オフィスタイプ | ひかり電話オフィスエース |
利用可能チャネル数 | 3~8チャネル | 1~300チャネル |
基本チャネル数/番号数 | 3チャネル/1番号 | 1チャネル/1番号 |
ナンバーディスプレイ | なし(オプション:1320円/1契約) | 標準装備(0円) |
ナンバーリクエスト | なし(オプション:660円/1契約) | 標準装備(0円) |
迷惑電話おことわりサービス | なし(オプション:220円/1契約) | 標準装備(0円) |
ボイスワープ | なし(オプション:550円/1番号) | 標準装備(0円) |
利用可能チャネル数の違い
ひかり電話オフィスタイプの場合
ひかり電話オフィスタイプは、最小で3チャネルです。よって、1~2チャネルしかいらないという方は、ひかり電話もしくはひかり電話オフィスエースがよいでしょう。
また、最大では8チャネルまでの利用が可能です。よって、9チャネル以上を利用したい場合は、ひかり電話オフィスエースを選ぶしかありません。
ひかり電話オフィスエースの場合
ひかり電話オフィスエースは、最小で1チャネル、最大で300チャネルです。ほとんどの会社で利用が可能でしょう。
基本チャネル数の違い
ひかり電話オフィスタイプの場合
ひかり電話オフィスタイプは、基本3チャネルです。2チャネルでの契約はできません。
ひかり電話オフィスエースの場合
ひかり電話オフィスエースは、基本1チャネルです。
また、ひかり電話オフィスタイプもひかり電話オフィスエースも、基本チャネルから増やしたい、という場合は、オプションを追加することで、チャネル数を増やすことが可能です。
ナンバーディスプレイ/ナンバーリクエスト/迷惑電話おことわりサービス の違い
ひかり電話オフィスタイプとひかり電話オフィスエース で大きく違うのが、オプションに対する扱いです。
特に、ナンバーディスプレイ系の3サービス「ナンバーディスプレイ」「ナンバーリクエスト」「迷惑電話おことわりサービス」の3つの扱いが大きく違います。
ひかり電話オフィスタイプの場合
ひかり電話オフィスタイプでは、オプション対応です。それぞれにつき、費用がかかります。
ひかり電話オフィスエースの場合
ひかり電話オフィスエースでは、標準対応となっています。3サービスとも使ってたとしても、オプション料金はかかりません。逆に、3サービスとも使わなかったとしても、料金の減額はありません。
この3つのサービスはつけるべきでしょうか?基本的には以下の方針が良いかと思います。
- ナンバーディスプレイは「つける」
- ナンバーリクエストと迷惑電話おことわりサービスは「つけない」
ナンバーディスプレイは、発信者の電話番号が分かるサービスのため、つけるほうが良いでしょう。
ナンバーリクエストと迷惑電話おことわりサービスは、電話の着信を制限するサービスとなります。必要な電話が着信せずに、お客様にご迷惑をおかけする可能性があるため、つけないほうが良いでしょう。
ボイスワープの違い
ひかり電話オフィスタイプの場合
ひかり電話オフィスタイプでは、ボイスワープはオプション対応です。
料金は、1番号の転送あたり、550円/月額となり、3番号の転送を行いたい場合は、1650円/月額となります。
ひかり電話オフィスエースの場合
ひかり電話オフィスタイプでは、ボイスワープは1番号分が無料です。ただし、、1番号の転送あたり、550円/月額となります。
最近では、働き方の変化により、リモートワークや会社休日が増加しています。留守番電話で受ける、という方法もありますが、スマホや秘書センターに転送するという方法もあります。ボイスワープを活用される方も増えつつある印象があります。
ひかり電話オフィスタイプとひかり電話オフィスエース、料金面の違い
「タイプ」と「エース」両者の料金面の違いをまとめてみました
※以下のサービスにも料金はかかりますが、本記事では省略します。
着信お知らせメール・一括転送・故障回復通知・グループダイヤリング・フリーアクセスひかりワイド・特定番号通知機能・ひかり電話♯ダイヤル・グループ通話定額・FAXお知らせメール
◆料金面の違い | ひかり電話オフィスタイプ | ひかり電話オフィスエース |
基本料金 | 1,430円/3チャネル・1番号 | 1,210円/1チャネル・1番号 |
複数チャネル | 440円/1チャネル | 1,210円/1チャネル |
追加番号 | 110円/1番号 | 110円/1番号 |
ひかり電話オフィス用アダプター(4ch) | 1,100円/1台 | 1,100円/1台 |
ひかり電話オフィス用アダプター(8ch) | 1,650円/1台 | 1,650円/1台 |
複数チャネルの違い
「複数チャネル」とは、同時通話数を増やすためのオプションです。
例えば、3チャネル契約の場合、3通話していると、4通話目の着信時に話し中となります。
着信チャネルオプションを追加すると、4通話目の着信を受けることができるようになります。
ひかり電話オフィスタイプの場合
ひかり電話オフィスタイプでは、基本チャネルが3チャネルであるため、複数チャネルを必要とするのは、4チャネル目以降です。
また、4チャネル目以降であっても、1チャネル追加で440円/月額であるため、比較的低コストで利用チャネルを増やすことが可能です。
ひかり電話オフィスエースの場合
ひかり電話オフィスエースでは、基本チャネルが1チャネルであるため、2チャネル目より複数チャネルを必要とします。
さらに、1チャネル追加で1,210円/月額であるため、ひかり電話オフィスタイプと比べて、1チャネルあたり770円/月額のコストアップとなります。
これは1チャネルの料金なので、チャネル数が大きくなるにつれその差は広がってゆきます。
8チャネル利用の場合、基本プラン+複数チャネルオプションで、ひかり電話オフィスタイプでは3,630円/月額、ひかり電話オフィスエースでは9,680円/月額となり、6,050円/月額の料金差が生じます。
追加番号の違い
「追加番号」とは、電話番号を増やすためのオプションです。
ひかり電話は、どのプランでも標準で1番号が無料でつきます。2番号以上使いたい場合は、使いたい電話番号の数だけ、追加番号オプションを申し込むことが必要になります。
ひかり電話オフィスタイプとひかり電話オフィスエースはいずれも、1番号110円/月額となり、料金差はありません。
ひかり電話オフィス用アダプターの違い
ひかり電話オフィス用アダプターとは、ひかり電話オフィスタイプとひかり電話オフィスエースを、アナログ電話回線/ISDN電話回線に変換する機器です。
購入することもできますが、NTTよりレンタルすることもできます。
4チャネル用は、4チャネルまで対応し、8チャネル用は、8チャネルまで対応しています。機器の種類としては、以下の4種類があります。
- 4チャネル対応アダプター(アナログ回線変換用) 1100円/月額
- 4チャネル対応アダプター(ISDN回線変換用)1650円/月額
- 8チャネル対応アダプター(アナログ回線変換用) 1100円/月額
- 8チャネル対応アダプター(ISDN回線変換用)1650円/月額
ひかり電話オフィス用アダプターは、ひかり電話オフィスタイプとひかり電話オフィスエース、いずれのプランにも対応できます。プランの違いによるレンタル料金差はありません。
ひかり電話オフィスタイプからひかり電話オフィスエースへのプラン変更方法
ひかり電話オフィスタイプからひかり電話オフィスエースへプラン変更することもできます。
プラン変更時は、光ファイバー回線を引き直す必要はありません。回線はそのまま使えます。
また、ひかり電話の契約内容変更は、NTT局内の切替のみで完了します。原則、ビジネスホンやOGアダプターなどのひかり電話接続機器の設定変更も必要ありません。
ただし、以下の場合は、ひかり電話接続機器の設定変更が必要となる場合がありますのでご注意ください。
- 利用チャネル数や利用電話番号数を変更する場合
- ひかり電話オフィスタイプ利用時に、ナンバーディスプレイオプションを申し込んでいなかった場合
料金のみを考えれば「ひかり電話オフィスタイプ」がオススメ
ここまで、ひかり電話オフィスタイプとひかり電話オフィスエースの違いをご紹介してきました。
料金面を考えますと、3チャネル以上8チャネル以下でご利用の方は、ひかり電話オフィスタイプが最もお得となるケースが多くなります。
どちらのプランを選ぶべきかをタイプ別にまとめますと以下の通りになります。
ひかり電話オフィスタイプがマッチする方
- 利用チャネルが、3チャネル以上8チャネル以下の場合
- ナンバーディスプレイ・ボイスワープ・ナンバーリクエスト・迷惑電話おことわりサービスなどのオプションサービス利用数が少ない
- 月額料金を削減したい
ひかり電話オフィスエースがマッチする方
- 利用チャネルが1チャネル・2チャネルで、ナンバーディスプレイを使う方
- 利用チャネルが9チャネル以上の方
- ナンバーディスプレイ・ボイスワープ・ナンバーリクエスト・迷惑電話おことわりサービスなどのオプションサービス利用数が多い方
- あまり細かいことは考えずにオプションサービスが込みのプランを採用したい
まとめ
- ひかり電話オフィスタイプとひかり電話オフィスエースで、最大チャネル数以外、機能面の違いはほとんどない
- ひかり電話オフィスタイプとひかり電話オフィスエースのどちらを選択するかは、料金面を重視すべき
NTT東日本・NTT西日本の窓口にてひかり電話オフィスを申し込む場合は、ひかり電話オフィスエースを推奨されるケースが多い、という声もあります。知らずに割高なサービスを申し込むことがないよう、ご自身で必要なオプションサービスを検討して申し込みをしましょう。