情報化が進んだ現代社会において、オフィスや店舗などでの業務にインターネットは欠かせません。
オフィスの新設や移転など、様々なタイミングでLAN工事が必要になります。
自宅とは違い、接続機器の多さやレイアウトの複雑さ、将来的なことを考えると業者に依頼したいという方も多いのではないでしょうか。
今回は、会社でのLAN工事について、基礎知識から業者の選び方、発注のコツなどをご紹介いたします。
LAN工事とは?基礎知識をおさらい
そもそもLANとは?
LANとは、英語のLocal Area Networkを略したもので、家庭内や社内など、限定したエリアでパソコンなど接続機器同士を繋いだネットワークのことです。
LANの工事規模
LAN工事の規模は、ネットワーク機器の個数など、ネットワーク規模により変わります。
大きく分けて、以下三つを目安にすることができます。
大規模 | 中規模 | 小規模 |
---|---|---|
|
|
|
今後は無線LAN(Wi-Fi)がとても重要に
無線LAN対応の機器が増えてきていることもあり、オフィスでも無線LANが重要になっています。
最近では、有線LANポートが無いパソコンも多く普及しているようです。
無線LANルーターなどの機器も規格や周波数帯域などによりさまざまな種類があり、金額も幅があります。あまり安価なものだと電波が弱いなど大きな支障が出やすいようです。
購入時には、なるべく最新のものを選ぶのがおすすめです。
進化し続けるLAN規格
有線LAN、無線LANのどちらも、それぞれ規格が進化し続けています。
有線LANにおいては、かつてはCat5E(100-1000Mbps)が主流でしたが、今はCat6 1000M(1G)bps、Cat6A(10Gbps)なども登場し、導入例も増加しつつあります。
Catとは「カテゴリ」のことで、Catの後ろの数字が増えるごとに速度や耐ノイズ性が上がります。その性能は年々進化しています。
また、無線LANの規格は、かつては802.11bとg(54Mbps)が主流でしたが、その後、802.11n(Wi-Fi4 300Mbps)と802.11ac(Wi-Fi5 6.9Gbps)が登場し、現在では802.11ax(Wi-Fi6 9.6Gbps)がとって代わろうとしている状況です。
今年2022年には更に進化しWi-Fi 6Eも登場しました。
速度は変わりませんが、使える電波帯が2.4GHzと5GHzに加え6GHzも利用できるようになり、利用者の分散により、実質速度の改善が期待できます。今後、オフィス・会社でも徐々に浸透してゆくでしょう。
ネットワークセキュリティの導入
ネットワークには、不正アクセスやウイルス感染などのリスクがともないます。セキュリティで考えなければならないポイントは以下の二点です。
- メールやホームページ閲覧をきっかけに外部から攻撃を受けるパターン
- PCにUSBメモリの接続をするなど内部から攻撃を受けるパターン
いずれのパターンも、情報漏洩やウィルス添付メールを取引先に拡散してしまうなどのリスクがあります。
小中規模のオフィスの場合、軽視してしまいがちではありますが、もしもの場合の損失が大きいため、ぜひ導入を検討しましょう。
LAN工事の見積までに決めるべきことリストと準備
①LANの工事規模
プリンターやスキャナーなど、思わぬ機器もカウント対象になるので注意が必要です。
IPアドレスを使うものは全てLANへ接続されていると考えて良いでしょう。
②有線LANと無線LANのバランス
どういったオフィスにしたいのかをイメージしてみましょう。
③LANにつながる機器のレイアウト
無線LAN端末については場所を固定せず使うことが多いので、大体の把握で問題ありません。
有線LANについては配線を決める必要がありますので、正確に書き込むことがおすすめです。
④これまでにインターネット・LANで困ったことの整理
それらを解決するためにも、ぜひ洗い出しましょう。
具体的には以下のような内容です。
- インターネットが遅い
- 部署を超えて共有ファイルを見られたくない
- プリンターは分けたい
- セキュリティに不安
- ゲスト用Wi-Fiを導入したい
- 新しく無線LAN用のアクセスポイントを導入したい
LAN工事の業者を探そう
事前準備が終わったら、見積や問合せをする業者を実際に探していきましょう。
探すにあたって知っておきたいことをご紹介します。
LAN工事規模に合わせた選び方
見積依頼や問合せをする前に、まずは「業者に求めるもの」を把握しておくのがおすすめです。
LAN工事規模ごとに見ていきましょう。
大規模LAN工事の場合
ルール設定には、経験と知識が必要であるため、大規模LAN工事にも対応できる、実績が豊富な会社に依頼した方が良いでしょう。
中規模~小規模LAN工事の場合
基本的には物理構成で足りることが多いため、大規模LAN工事に強いLAN業者だと割高感が出てしまうかもしれません。小回りが利くことが強みの、親切で幅広い対応ができる業者に依頼した方が費用が抑えられるでしょう。
LAN工事の業者を探す三つの方法
LAN工事を依頼する業者を探すには、主に以下三つの方法があります。
- 以前に依頼したことのある業者
- 知り合い
- インターネット
ただ、値段が事前に分からないことや、逆に要望を言いにくいという声もあります。
複数業者に問合せてみて、返答の対応が希望に近いところに見積依頼できるというメリットもあります。
この四つのバランスが重要です
- 対応の早さ
- 話をしっかり聞いてくれるなどの親切さ
- 要望に合わせた複数プランの提案
- 急かすなどの営業手法の有無
LAN工事は自社の重要なインフラです。
話を聞いてくれない、発注を急かしてくるなど、信頼できない業者に依頼して失敗するのは避けたいところです。
LAN工事の見積流れ
では、実際に見積を依頼し発注していく流れをみていきましょう。
複数の業者に見積をもらって比較検討するのがおすすめです。
1:まず内容を伝えます
(LAN工事規模、有線と無線のバランス、機器のレイアウト、過去に困ったこと)
2:相談して仕様を決めます
その内容をもとに、業者と相談しながら仕様を決めていきます。
3:見積をもらいます
LANは技術革新が速いこともあり、あまり安い機器や配線部材にしてしまうと、すぐに買い替え時期が来てしまうかもしれません。
その辺りのバランスも取りながら、良い機器や配線の見積と、一般的な機器や配線の見積の二通りの見積を依頼してみるのがおすすめです。
4:比較検討して発注します
今回のLAN工事で一番重要なことは何かをもとに優先順位を考え、それに見合う費用かどうかを判断していく必要があります。
一つの業者から複数プランの見積をもらう、もしくは複数業者から見積をもらうことで比較検討して決めるのが良いでしょう。
LAN工事の費用相場
費用項目
LAN工事費用の、項目例をご紹介します。
- 派遣費
- LAN配線費
- ルーター設置費
- HUB設置費
- LAN配線費
- 配線部材費
- 諸経費
参考見積書
LAN工事の見積書サンプルをご紹介します。
費用を抑えるLAN見積依頼のコツ
その意味でも、複数業者から見積を取り比較することで見極めていくのがおすすめです。
どの業者からも予想より高い見積もりが出た場合は、仕様そのものの見直しが必要かもしれません。
不要なものは削り仕様を簡素化していきましょう。
必要なものを削ってしまわないよう、優先順位を考えることが大切です。
安ければ良いというものでもなく、LAN工事に手抜きがあったり、対応が悪い場合もあるので気を付けましょう。
まとめ
慎重に検討して進めていく必要があります。
そんな中、専門知識をもって相談に乗ってくれる業者の方は力強い存在です。
良い業者選びをして、自社の要望に合ったネットワーク環境を構築したいですね。