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危なかった(汗)オフィス・店舗の配線トラブル物語3つ

近年、オフィスにある電子機器の配線ケーブルは、無線技術の進歩により、有線から無線化へシフトしつつあります。ただ、電子機器や用途によっては、安定した通信接続を必要とするため、不安定な無線ではなく有線の利用場面はまだまだ多くあります。

今回は、思わず「危なかった…」と、オフィスの担当者さんが冷や汗をかいたオフィスの配線トラブル事例を3つご紹介します。みなさんももしかすると思い当たるようなトラブルもあるのでは?それではご覧ください。

目次

1つの島でビジネスホンが全消灯!時間が経つと全点灯?→ビジネスホンの機器を一部交換する事態に

オフィスレイアウト変更後にトラブルが発生

オフィスビルに入居するA社さんは、社内でのレイアウト変更が頻繁にあります。デスクは、袖机も一体化しているタイプの一般的な事務机。中にはぎっしりと書類が入っていたため、とても重く、社員さんは汗を流しながら、オフィスレイアウト変更のたびに、汗をかきかき机を動かしていました。

何度目かのレイアウト変更後、突然、島の1つにあるビジネスホン電話機全台が消灯し、まったく使えなくなりました。「ビジネスホンの故障か?」とも思いましたが、他の島は使えている様子。うーん、と悩んでいると、自然にビジネスホンが点灯しました。ちょっとした接続不良だろう、と思い、胸をなでおろしたその日はオフィスレイアウト変更後の片づけをすすめました。

翌日です。出社すると、昨日、消灯したビジネスホン電話機全台が、再度、消灯してしまっているのです。その内、再度、点灯し、再度、消灯する。そんなことを繰り返す状態になってしまいました。結局、自分達では判断がつかなかったため、ビジネスホン業者さんを呼び、見てもらうこととなりました。

ビジネスホン業者さんが見た結果

ビジネスホン業者さんが到着し、一通り点検した後、担当者さんを呼び説明をしました。「もしかして、オフィスレイアウトの変更などされました?その時、机を引きずったりしました?」まさにその通りだったので、驚き「どうしてわかったんですか?」と尋ねると「ビジネスホンの配線を踏んでしまっています。この個所を見てください」とよく見ると、重たい事務机でビジネスホン用の配線を踏んでしまっていました。

トラブルの原因と対応

結果的に、ケーブル内部の銅線が一部切れてしまっており、それがショートして、ビジネスホン電話機が点灯したり消灯したりしたというのがトラブルの原因でした。さらに、それを続けた結果、ビジネスホン内部の電話機回路用ユニットが故障し、動作が不安定になってしまうという結果に。

最終的には、その日に配線の交換、一時的に、他のユニットに電話機を割り振り業務を行えるようにしました。後日、ユニットの交換を行うことで安全に復旧することができました。

ケーブルは頑丈なように見えますが、あまりにも重いものを載せると切れることがあります。ケーブルは踏まない、重いものを載せないことが重要です。今回は、ビジネスホン電話機の点灯・消灯という症状が発生したので逆に良かったのですが、気づかずに使い続けられた場合、回線のショートがひどくなり火災の原因になったかもしれません。大事に至らずよかったですね。

ブレーカーが何度も落ちるので、何度も上げてみた。ふと不安になり、そのブレーカーを使っている電気を調べてみると…

通路に出しっぱなしの延長コード

ビルの1Fでお好み焼き屋をやっているB店さん。長年、地元で愛されている名店で、名物おかみさんとその娘さんが、お店を切り盛りしていました。お昼時には満席になり、外で並んで待つお客さんもいるほどの盛況ぶりです。お店も少し古くなってきて、内装も変えようかという話も出ていましたが、なかなかタイミングがなく、昔の設備状況のまま利用を続けていました。

ある冬、大変寒い日があり、外で待つお客さんのためにヒーターを出すことにしました。客席側のコンセントがすべて埋まっていたため、厨房から長い延長コードを引き回して、一部通路を経由し、ヒーターをつけていました。しばらくは、ヒーターを出すたびに延長コードを片付けていましたが、だんだん面倒になり、延長コードは部屋内に入れるものの、厨房からは出しっぱなしになり、冬が終わっても存在を忘れるようになりました。

頻繁に落ちるブレーカー

ある夏、厨房のブレーカーが頻繁に切れるようになりました。「もう、お店も古いからね」そう言いながらおかみさんが、ブレーカーを上げるのですが、また落ちる。あまりに落ちるので、娘さんが「ねぇ、お母さん、ちょっとこれおかしくない?ちょっと危ないんじゃない?」と言い出しました。

ちょうどその時、ある飲食店が火事になったというニュースを見たこともあり、少し不安になったおかみさんが電気工事業者さんに見てもらうことになりました。

トラブルの原因は、延長コードの皮膜破れからのショート

電気工事業者さんが到着し、ブレーカーを調べたところ、確かにかなり古くなっていましたが、設備そのものの故障は認められませんでした。次は、そのブレーカーの電気回路を利用しているコンセントを1つずつ調べたところ、ある1本の長い延長コードが見つかりました。

電気工事業者さんがそれを追ってゆくと、厨房と客先の間にある短い通路の床に段差があり、その段差付近で延長コードの皮膜が破れ、中の銅線が露出してしまっている個所を発見しました。「これが原因だろう」と判断し、その延長コードをコンセントから抜いたところ、ブレーカーが落ちることはなくなりました。

ただ、ケーブルにも少し焦げたような跡があり、一歩間違えれば火災の危険もあったとのこと。「延長コードを踏んだり、けったりしてしまうような場所に長期間置くのは危ないですよ。あと、ブレーカーがある配電盤もかなり古くなっていますので早めに交換してくださいね。」とアドバイスし、電気工事業者さんは退出しました。

こちらのケースもケーブルからの問題ですが、電話よりも電気の方が電圧が高いため、より危険度が増します。さらに、オフィスレイアウト変更などではなく、日常的に置かれているケーブルであるために気づくのも遅れてしまうという面もありこちらの方がとても危険でしたね。

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近くの木に落雷ドーン!ビジネスホン主装置から焦げ臭い臭いが…

プレハブ事務所でビジネスホン利用、雷対応電気設備で対応

石川県で、中古自動車店を営むC社さんは、ロードサイドで中古車を40台ほど展示販売している小規模な会社さんです。電話の着信が、外でも聞こえるようにプレハブ事務所の壁にスピーカーを設置する必要があり、ビジネスホンを活用していました。

冬のことです。石川県は、日本海側で雪にも悩まされますが、雷も多い地域。C社のご近所さんでも、1度PCやテレビが雷でやられてしまったとのことで、C社でも雷対応のOAタップを使うなど準備をしていました。

ドーン!とすごい音にびっくり。近くの木に落雷

いつものように業務をしていたところ、急に天気が悪くなってきて、雷も鳴り始めました。「これはやばいんじゃないんかな?」不安になり、プレハブ事務所内にいたところ「ドーン!」というものすごい音。「これは落ちた!」事務所内が騒然となったところ、気づくとビジネスホンが消灯していることに気づきました。と、同時に焦げ臭いも。

「何か燃えてないか?」慌てて探したところ、ビジネスホンの主装置から臭いがしていることに気づき、慌てて電源コードを抜きました。

トラブルの原因は、電話線からの誘導雷

他のPCや電子機器は問題がない。ビジネスホンだけの問題だったので、調べてみると「電話線からも雷の影響を受けることがある」との記事を見つけました。どうやら、近くの木に落ちた雷が、近くの電柱に伝わり、直撃でなくても誘導雷として高圧電流が伝わることがあるとのこと。

「電気は対策してたけど、まさか電話線からとはなぁ」そう言いながら、ビジネスホン業者さんを呼び、急いで同型番の中古ビジネスホン主装置へと交換することで、緊急的に電話を使うことはできるようになりました。

このビジネスホンは、リースでの導入だったのでリース会社の動産保険を使うことで保険金もおり、無事、新品のビジネスホンに交換することができました。

電話線からの雷被害を防ぐにはサンダーカットが有効

実は、ビジネスホンの雷を原因とする故障は2つ注意ポイントがあります。1つは「電気」もう1つは「電話線」です。どちらも電柱から引き込むものであるため、高圧電流の被害を受ける可能性があります。今回、C社では、電気に関しての対策は行っていたものの、電話線に対しての対策は行っていなかったため発生したということですね。

対策としては、電話用の落雷対策品である「サンダーカット(株式会社白山が製造)」という機器を使うことが最もよいです。電話回線の種類により、サンダーカットの種類も違うため、ご自身の回線にマッチしたサンダーカットを選びましょう。

光ファイバーは電気を通さないが、雷対策は必要

ちなみに、光ファイバーはガラスでできています。そのため、電気を通さず、雷からの高圧電流による被害はありません。最近は、アナログやデジタルの電話回線の代わりに、光ファイバーが普及するようになったため、雷の被害も減少するでしょう。ただし、ルーターや電話機など、電話設備は電気を使うことが多くあります。そのため、NTTではサンダーカットを配布し、雷被害を防ぐよう推奨していた時期もあるようです。光ファイバーで電話も使っているから大丈夫、と安心せずに、しっかりと対策をしてゆきましょう。

まとめ

ケーブルに関わる3つのトラブル物語をご紹介しました。電話・LANは弱電、電気は強電といいまして、強弱の違いはありますがいずれも電気のメカニズムを利用しています。それは、火災と隣り合わせということであり、電気と通信を利用する場合は、常に火災予防を注意して行うべきでしょう。

ケーブルに関する火災予防としては、特に次の3つを予防策として心がけるとよいでしょう。

  • ケーブルは踏まない、重いものを載せない
  • 古いケーブルは利用せず、早めに新しいケーブルに交換する
  • 雷が多い地域は、電気と電話線という2つのルートに対策をする

また、「当社の対策は大丈夫かな?」「ちょっと不安な点がある」という場合は、早めに専門業者に見てもらうことをお勧めします。最近は、WEBでかんたんに見積を取ることができる配線業者サービスも登場しています。火災は本当に怖いもので、最悪の場合、会社の資産がすべて燃えてしまうこともあります。早め早めの対策を心がけ、まずは無料相談から始めてみましょう。

※なお、この3つの物語は、実際に起こった出来事を基にしたフィクションです。

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